老舗和菓子店

インテリア

 

銀座4丁目のビルにあるこちらの店舗。

既存店舗の向かい側が空いたことをキッカケに店舗を拡張する事になり、2 店舗同時リニューアルのご依頼を頂きました。

菊廼舎様は以前人気アイドルグループが紅白の司会をした時に、こちらのお菓子を配ったことからテレビや雑誌にとりあげられ 一気に注目を浴びるようになった老舗の和菓子屋さんです。

それもそのはず! パッケージや中身がとびっきりキュートでインスタ映え間違いなしなことに加え、 お菓子にオリジナルメッセージやイラストを入れられるので、大切な人や、特別な機会に思いを伝えるのにぴったりなギフトなんです。 

 お話させて頂く中から導き出したキーワードは「Reborn」と「128年の歴史の伝承」。

菊廼舎さんでは先代社長から五代目(現社長)に代替わりしてまだ数年。

このRebornというのは「生まれ変わって進化し続ける菊廼舎を見てほしい」という社長の意気込みを表した言葉だそうです。 まず、ご提案させていただいたのが、「現社長(五代目);)の幼い頃の写真」と 「懐かしさ溢れる当時の銀座の町並みの写真」を展示させていただくことでした。 

 今回アートの力を借りたのは、「128 年の歴史の伝承」という部分。 その中から、少しご紹介させて頂きますね。 

 実はこれは全て古い写真のコピー。 本来の写真は既になく、あるのはこのコピーだけ。

写真部分の横にあるコピーの線が出ないよう細部にわたり調整して頂いたお陰で、セピア色の本物の写真のように仕上がりました。

その他にも、こちらのお店が描かれている浮世絵なども額装して展示。

歴史を感じて頂けるコーナーになっています。 

 接客の中心となるカウンターの後ろのディスプレイに設えたのは、 昔の和菓づくりの木枠や道具類。 「昔はこんな道具を使って、一つひとつお菓子を作られていたんですね」と、 お客様からの反応も多く、コミュニケーションが自然と増えていったそうです。 

 「銀座菊廼舎(きくのや)」 さんが何より大切にしているのが「お客様とのご縁」。この「縁」という字をモチーフにして、書を書家の白石雪妃さんに手掛けて頂きました。 

 文字と一緒に描かれている◯(えん)は、「何事も丸く収まる」という意味と、「永遠に栄える」という意味を持った縁起のいいもの。 「末永く繁盛しますように」という白石さんとお店の方々の熱い思いが伝わってくるようです。 

 匠の技が素晴らしい岡山の伝統工芸の建具を衝立風に設置したエントランスを書がより一層引き立てています。 

 飾り棚のカウンターの中央には、陶芸家の吉見螢石さんの作品「甲冑」を飾りました。 実際に店舗で働くスタッフの方が 「今日も一日よろしくお願いしますと毎朝心の中での中で手を合わせるんですよ。なんだか身が引き締まるような気がして」と、嬉しそうに話してくださったのが印象的でした。 作品から醸し出される厳かで見護ってくれるような空気感がそうさせてくれるのかもしれませんね。 

 アートが目に見えるカタチにしてくれるのは、店の歴史や商品イメージだけではありません。

実は、「経営理念」や「創業者の思い」、「未来へのヴィジョン」といった目に見えないものを、目に見えるカタチにしてくれることがアートの一番のパワーなんです。

アートを通して目に見えるカタチになった「理念」や「思い」は訪れるお客様だけでなく、そこで働く方々にも伝わり、店全体の空気感を育んでいきます。 「店」は当然言葉を持ちませんが、こうやってアートが代弁してくれることで「人」と心を通わせていくことが出来るのではないかと そんな風に感じました。

アートというと「有名なアーティストの高価な作品を飾るのでは?」と思っていらっしゃる方も多いかと思いますが、 今回のように昔懐かしい写真や代々受け継がれてきた何物にも代えがたい宝物のような存在のものを飾るのもアート。 お店のコンセプトや、思いを描いてもらった書や絵を飾るのもアート。

広い意味では、それを飾ることで幸せな気持ちにさせてくれるもの全てがアートなのではないでしょうか。 言葉で説明するのではなく、作品を見る度に雄弁に語りかけてくれるアートのパワーをぜひ体感されてみては如何でしょうか?

アートのある暮し協会のサイトに掲載いただきました