ART FACTORY 城南島で開催された「VOLATILITY展」のクロージング・ライブイベントへ。


スケールの大きいインスタレーション
会場には、市川平氏(特殊照明)、中島崇氏(現代美術)、河合政之氏(映像)の3名による、光・映像・音が交錯する壮大なインスタレーションが展示されていました。
2ヶ月位あった会期中もかなりの動員があったそうですが、最終日のこの日も予約が100名以上だったそうで、人、人、人で、熱気にあふれ大盛況でした。
イベントの前半は、脳科学者の中野信子氏を迎えた4名によるトークセッション。
私は以前から中野さんの大ファンで、中野さんの心理学の本を何冊か読んでいたのですが、実際にお会いするのは初めてだったので、素敵な機会に恵まれテンション爆上がりでした。河合さんと中野さんのトークセッションが楽しく、終始会場は和やかな空気に包まれていました。


後半は市川氏と河合氏によるライブパフォーマンス。あっという間の濃密な2時間でした。


デジタルとアナログの違い
一番の衝撃は、「こういう表現はデデジタルによるものだ」という私の思い込みが覆されたことです。最近イマーシブ(没入型)美術展が人気ですが、私はそういうものは全てデジタルの世界と思い込んでいたんです。
でもこのインスタレーションは、緻密に計算されたデジタル処理ではなく、偶然が作り出す連続性のある「アナログの世界」なのだというお話に、まさに目から鱗状態。 「整えられた正解」ではなく、その場で生まれる予測不能な変化の連なりこそが、この空間の正体だったのだと知り、今までの認識がガラッと変わりました。




南方曼荼羅って何?
この展示で初めて耳にしたのが、博物学者・南方熊楠が提唱した「南方曼荼羅」という考え方です。
熊楠は、自然界のあらゆるものは見えない糸でつながっていて、どれひとつとして単独では存在しない、という世界観を独自の図として描き表したのだそうです。

光が壁に当たり、音が空気を揺らし、人々の熱気や動きさえもその場の空気を変えていく。誰かひとりが動くだけで、空間全体の表情がそっと変わる。バラバラに見えるものが、実はすべてつながって、ひとつの世界をつくっている。
このインスタレーションは、まさにそういうことを表現しているそうです。
ちょっと身近になった現代アート
これまで現代アートにはどこか苦手意識がありましたが、今回の体験を通して「わからないもの」をそのまま楽しむ面白さを発見でき、ぐっと視野が広がった気がします。
今までちょっと避けてきた現代アートの世界ですが、もっと気軽に覗いてみようかなと思えるようになったことが、一番の収穫だったかもしれませんね。
