いにしえのロマン、截金の輝き

アート

截金(きりかね)ってご存知ですか?
私は昨年初めて友人の紹介で、截金師・長谷川天幸さんの截金を拝見し、その素晴らしさに感動しました。

今までは、ギャラリーで個展を開催して作品を発表していらしたそうですが、截金の作品を実演を交えて身近で見ていただきたいとの思いから、横浜高島屋の展示会に参加され、今回が2回目とのこと。
ギャラリーだと限られた人だけになってしまいますが、デパートだといろいろな方に見ていただける機会が増え、直接お話もできるので、截金を知っていただくチャンスも増えそうですね。

截金は飛鳥時代に仏教とともに大陸より伝えら、仏像や仏画に描かれていました。
金箔を線や四角・三角などに細かく切り、糊で貼りつけ様々な文様を施して、仏像や仏画を美しく飾り、重々しく見せる伝統的な技法です。
その技術は仏像色彩の中でも最高峰と言われていました。

截金に使用する金箔は、一枚では薄くて作業できないので、箔の厚みをつける為に1枚づつ箔を合わせて焼き、5〜6枚くらい焼き合わせます。
貼り上がった金箔を竹刀で、髪の毛ほどの幅になるよう1本1本目分量で同じ幅になるように丁寧に切り出すそうです。
膠(にかわ)と布海苔(ふのり)で作った接着剤を筆に含ませ、もう片方の筆で金箔を置いていき、模様を描いて行きます。下書きはできないので、全てフリーハンド。
気の遠くなるような緻密で繊細な作業ですね。

こうして出来上がった作品は、繊細で美しく輝いて溜め息の出るようです。
前回初めて見た時の感動が、今でも蘇ります。

この素晴らしい截金の匠の技、未来の子供たちに受け継いでいってほしいですね。