海外アート情報 [1] ルーブル美術館

アート

年末年始にかけて、ヨーロッパとアメリカの美術館やギャラリーを回ってきましたので、少しづつですがご紹介させていただきますね。

まずはルーブル美術館から

アメリカのメトロポリタン美術館やロシアのエルミタージュ美術館と並んで、世界三大美術館に数えられているルーブル美術館は、年間800万人以上が訪れ、所蔵作品数は30万点以上という世界最高峰の美術館です。
一度は行ってみたいと大人気の美術館ですが、ゆっくりみて回ると1週間あっても見きれないと言われる程の作品数、今回は、初回にはまず押さえてきたい、私おすすめ7作品をご紹介させていただきますね。

サモトラケのニケ

合計9m近くも高さがあるサモトラケのニケ。颯爽と翼を広げた姿は圧巻です

まず一番見たかった「サモトラケノのニケ」へ直行。
「サモトラケのニケ」は1863年にエーゲ海・サモトラケ島で発見されヘレニズム彫刻の最高傑作と言われる作品です。

発見された時は、118点の断片でした。復元したところ翼をもった勝利の女神像であることがわかり、左側の翼はオリジナルですが、右側の翼はオリジナルを反転して複製したものだそうです。
118の断片からこの形に復元、素晴らしい熱意と技術、ロマンを感じますね。

この像はロードス島の人々がシリアとの海戦に勝利した際にサモトラケ島に奉納したもので、ギリシャ神話に登場する軍船の先頭に立つ勝利の女神の姿を表現しています。

私はタイタニックの船のへさきで両手を広げるシーンを思い出し、あれは勝利の女神をメージしていたのかなと勝手にイメージを膨らませていました。

ドゥノン翼とシュリー翼の境、ダリュの階段の踊り場にあるこの像は、船のへさきをかたどった台座の高さ5m57cm、大理石で作られた女神の翼も入れた高さ3m,、合計9m近くと圧倒的な存在感です。この凛とした佇まいと神秘的な美しさ、感無量でした。

ミロのヴィーナス

次はルーブル三大至宝の1つに数えられる、ヘレニズム時代の最高傑作と称される「ミロのヴィーナス」

教科書でもお馴染みのミロのビーナス。こちらも大人気です

「ミロ」は発見場所ミロス島にちなんだ通称で、正式名称は「アフロディーテ」だそうですよ。ご存知でしたか?
私はミロのヴィーナスに正式名称があること自体、知りませんでした。
アフロディーテは美と愛欲の神として有名で、、ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」のように裸で描かれることの多い女神です。 

この像は、両腕が見つからなかったことから、よりミステリアスな謎として長年注目を集めていますが、林檎を手にしているという話が広く伝わっています。これはギリシャ神話のパリスの審判で「人間の中で一番美しい女性」に贈られた黄金の林檎が、アフロディーテに贈られたことから由来しているそう。興味深いですね。

以前美術家の方が、「ミロのビーナスのまわりは一回りできて、お尻の部分も半分見えているところが魅力的なので必見ですよ!」とおっしゃっていたので、ぐるっと一回り。後ろの部分もとっても魅力的で、どの角度からも素敵でした。ぜひ見てみてくださいね。

360度どの方向からも見ても美しい!

モナ・リザ(ダ・ヴィンチ作)

いよいよ定番、ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」へ

モナ・リザの前は長蛇の列

前評判どおり、「モナ・リザ」の前は、モナ・リザとツーショットを取りたい人で溢れていました。私も御多分に洩れず、ツーショットは撮りませんでしたが、列に並んで一番前で「世界一有名な微笑み」をカメラに収めました。
モナ・リザは、縦77cm×横53cmと小さい木の板に油彩で描かれている作品ですが、やっぱり一度は実際に見たい作品ですね。

ほんとに神秘的な表情ですね

モナ・リザがここまで有名になった一因に、ダ・ヴィンチの卓越した技術力があげられます。ダ・ヴィンチは「モナ・リザ」を描く時、輪郭をぼかして色の境界が分からないように描くスフマートの技術を駆使し、跡が残らないよう緻密に重ねて塗っています。これによってモナ・リザの神秘的な表情が表現されていると高く評価されているのです。
口元は微笑んでいるのに目元は真剣、ほんとに不思議な表情ですね。

でも、モナ・リザが有名になったのはここ100年くらいのこと。絵に関する多くの謎めいた逸話や魅力が影響して有名になったのではと言われていて、それ以前は「最後の晩餐」の方が有名だったそうです。

そういえば、「ダ・ヴィンチコード」の映画にもなったくらい、謎めいたことが多い作品なのかもしれませんね。世界的に一番有名ではと言われている「モナ・リザ」が、ここ100年くらいのことだったなんて、びっくりですね。

ラ・ベル・フェロニエール(ダ・ヴィンチ作)

モナ・リザの原型とも言われる作品。
この作品は、かつて日本では「ミラノの貴婦人の肖像」と呼ばれ、ダ・ヴィンチが一人の女性を描いた肖像画4点のうちの1点です。肖像画は4点しか描いていなかったんですね。
作品のタイトルにもなっているフェロニエール」とは、モデルが身につけている細い金の頭飾りのことだそうです。

岩窟の聖母(ダ・ヴィンチ作)

岩にできた穴のようなところに、わずかに薄明かりが差し混んでいて、幻想的で美しいすね。
幼児のイエス・キリストに聖母マリアが手を差し伸べていて、左側の幼児は聖ヨハネ、右側の女性は庇護者大天使ウリエルと言われています。

「岩窟の聖母」は、ほぼ同じ構図、構成で描かれたものが2点あり、先に描かれた方がルーブルにあるこの作品、もう1点はロンドンのナショナルギャラリーにあります。

聖アンナと聖母子(ダ・ヴィンチ作)

聖母マリアと幼子イエスが聖アンナによって見守られる場面を描いたこの作品は、母、子、孫の三世代間の心の通い合いを描いたダ・ヴィンチの晩年の作品です。
温かい思いやりにあふれるまなざしとそれを見守る聖アンナの穏やかな微笑み、明るい色彩で描かれていて、ほのぼのとした暖かさ感じますね。

ただでさえ作品数の少ないダ・ヴィンチの作品が、4点も見れて感動でした。

実はもう一点、「洗礼者ヨハネ」の作品があったたのですが、不覚にも写真を撮り忘れてしまいました。「洗礼者ヨハネ」はダ・ヴィンチの遺作となった最後の作品で、弟子のサライがモデルになったと言われています。モデルの天を指す指は、救世主イエスの誕生を告げているそう。この作品でも 「モナ・リザ」のような謎めいた微笑が描かれていますので、ぜひこちらもご覧くださいね。

ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョセフィーヌの戴冠(ダヴィット)

本来はもう少し人物等がたくさん描かれている作品ですが、詳細がわりやすいように画像を拡大しました。
右端に座っている白い帽子を被った人物がローマ教皇。

この作品は、フランス新古典主義の巨匠で、ナポレオンのお抱え画家、ジャック=ルイ・ダヴィットが描いたもので、パリのノートルダム寺院で行われたナポレオン1世の盛大な戴冠式の様子が描かれています。巨大な絵で縦6.3×横9.3m、ルーブル美術館で2番目に大きな絵画だそうです。
「これは絵ではない、画面のなかに入れるようだ」とナポレオンが言ったと言われる逸話も残っているほど、依頼したナポレオン本人もあまりの大きさと作品の素晴らしさにびっくりだったのかもしれませんね。

この作品は、ナポレオンが皇帝の地位についたことを顕示するため、皇帝よりも位の高いローマ教皇をさしおいて、ナポレオンが妻ジョセフィーヌに冠を授けるという実際にはありえない状況が描かれている作品です。
ナポレオン自身がこの絵の主役だと権力を誇示していて、ナポレオンの後ろに座っているいるローマ教皇の顔が寂しげな表情に見えますね。
この迫力と細部に至るまでリアルティがある作品の素晴らしさ、ぜひルーブルで体感してくださいね。

(※参考までに一番大きい作品は、イタリアの画家ヴェロネーゼが描いた「カナの婚宴」で、縦6.77mx横9.94m)

もう1点見たかった、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」は修復中で見れず残念!
昨年の9月から修復作業が始まり、来春には完了予定とのことでしたので、こちらもお楽しみに。

ルーブルの様子

わかりやすい館内マップ

まず−2階にあるインフメーションで、館内マップをもらって、行きたい場所をチェクしてまわります。
有名な作品や人気の作品は、画像入りで載っているので、とても分かりやすいマップで、嬉しくなってしましました。

マップの画像は、上から順番に、表紙・インフォメーションのある−2階・−1階・ミロのヴィーナスのある0階・モナ・リザとサモトラケのニケのある1階(グランドギャラリーにモナリザ以外のダヴィンチ作品があります)・最後が2階です。

美術館情報

・入場料:22ユーロ
・定休日:火曜日
・時 間:午前9時から午後6時(金曜は午後9時45分迄)
・最寄駅:地下鉄パレ・ロワイヤル=ミュゼ・デュ・ルーブル駅直結(徒歩6分)
(※行き方はいろいろありますが、地下鉄直結の美術館入り口から入れますのでオススメです)
・予 約:必要(当日券の枠があれば入れることもありますが、予約された方が安心です)
・入場無料:毎月第一土曜の午後6時から午後9時45分迄と、パリ祭(7月14日の終日)

パリミュージアムパス
これは、パリ市内、パリ郊外にある約50以上の美術館・博物館に入場できる観光パスで、2日券(55ユーロで48時間有効)・4日券(70ユーロで96時間有効)等のチケットがあります。
滞在期間中に何ヶ所も観光したい方にはオススメですが、そんなに回らない場合は入場料を払った方がお得な場合もありますので、チェックしてみてくださいね。