国際アートフェア Tokyo Gendai

アート

初開催となる世界水準の国際アートフェア「Tokyo Gendai」
7月7日(金)〜7月9日(日)の3日間、パシフィコ横浜で開催されました。

このTokyo Gendaiアートフェアは、海外のギャラリーの出店が全体の6割を占めるという、まさに世界水準のアートフェアです。

今回話題になったのが、「保税地域」という聞きなれないこの言葉。私も今回初めて知りました。
これは外国から輸入された貨物を、関税を保留したまま展示できる場所のことで、今回のTokyo Gendaiでは、このパシフィコ横浜での認定を申請しており、無事認可がおりたそうです。
海外からの出展の場合、今までネックとなっていた輸入時点で多額の関税を支払わなくても展示できるので、今後海外からの出展もからり見込めそうですね。

7月6日のプレオープンに参加させていただきましたが、VIP・アートコレクター・プレス関係など世界各国からたくさんの方が詰めかけ、開場と同時に広い会場もあっという間に大混雑。

会場は通路が広くとってあり海外のアートフェアのようで、人が多い割にはじっくり鑑賞できました。作品の詳しい説明もたくさん聞くことができ、大満足。
そのなかから、いくつかご紹介させていただきますね。

◾️galerie frank elbas ギャラリー(B09)

Kenjiro Okazakiさんのアクリル画
画像では伝わらなくて残念ですが、カラフルな色合いで透明感があってとても美しい作品でした。
色の織りなす美しさに、しばし見とれてしまいました。

◾️詩文閣ギャラリー(A07)

Jane Lee(ジェーン・リー)さんの木枠にミクストメディアの作品(赤)
Jane Lee(ジェーン・リー)さんのキャンバスにアクリル・ジェルの作品(紫)
両方とも、作品をじっくり見れば見るほど奥行きと深みが感じられ、いろいろな発見がありとても惹かれる作品でした。

◾️PARROTONギャラリー(B12)

Mathilde DENIZEさんの作品
まだ30半ば過ぎの若いアーティストの方のアクリルと水彩絵具の作品。
色合いが美しく、ブースそのものが作品という感じで素敵でした。

◾️A Lighthouse called Kanata(06)

生田丹代子さんの積層ガラス作品 「空」
無数のガラスの断面が重なり、交差し、ひねり、まるでメロディーを織りなしているような作品。
違う方向から見るとまた違った世界が現れ、あまりの美しさに言葉を失ってしまうほど。
生田さんは「ガラスを扱っているのではなく、光という名の音符を自在に操っている」とおっしゃていらしたそうで、なんだか作品に対する熱い想いが伝わってくるようでした。
作品は海外の美術館にも多数収蔵されているそうで、今回も既に売約済みになっていました。

◾️A Lighthouse called Kanata(C06)

佐藤健太郎さんの和紙に岩絵具と墨で描かれた作品
左の作品 「風ノ形象」
右の作品 「起源ー景ー」 
今大注目の若手アーティスト・佐藤健太郎さん。
日本画ですが平面的ではなく抽象画風の作風で、岩絵具を何層にも重ねているので、奥行きと色の深み、そして勢いを感じられる作品です。
宮城県在住の佐藤さんですが、タイミングよく会場におみえになったので、いろいろなお話を伺うことができラッキーでした。

◾️iPRECIATION (E05)

左の作品 Song Ling (宋陵)
Song Lingさんは、中国の現代アートの代表とも言われていて、シュルレアリスム(超現実主義)芸術の影響をかなり受けているアーティストだそうです。
今までの中国作品の鳥たちのイメージではなく、斬新で愛らしい作品ですよね。

右の作品 Wang Dongling (王 東陵)
Wang Donglingさんは、中国でもっとも高く評価されている書道家兼水墨画家。
不規則でダイナミックな中国の書道「ワイルド草書」で有名だそうです。
日本の草書のイメージとは全然違い、書の大家の方の作品ですが、なんだかアート作品のようでした。
文字として読めないからなのか、見ていると心が落ちつくようで心地よかたったです。

◾️Sundaram Tagore(サンダラム・タゴール) Gallery (E07)

千住博さんの作品。
千住さんは、滝や崖などの荘厳なイメージの作品で有名で、世界中の美術館やパブリックスペースで見ることができます。
でも、千住さんの作品でこれほどカラフルな作品を見たのは初めてでしたので、早速お話を伺うことにしました。
この作品はコロナ禍でみんな気持ちが滅入ってしまっているので、気持ちを明るく持っていただきたいとの思いを込めて、カラフルな色遣いの作品が出来上がったそうです。
これは先日ロンドンの展覧会で発表されたばかりだそうで、ディレクターのメラニーさんが奥からその時のカタログを出してきてくださって、作品の説明をしてくださいました。
カタログと言っても、カタログとは呼べないくらい本の装丁も立派で、まるで美術書のように素晴らしいものでした。
会場に展示されていた作品はブルーバージョンでしたが、カタログに載っていた、パープルバージョンに目が釘付け。今までの千住さんのイメージとは違ったこのシリーズ、気持ちが明るくなるようで癒されました。


日頃どうしても左脳中心の生活に傾いてしまっているので、アートからたくさんの刺激を受けることの出来るアートフェアは、私にとっては脳のリラックスタイムです。
アート初心者の方から「アートは難しくてよく分からない」と言われることが多いのですが、私は「こういう作品が好き」とか、「なんだかこの作品に惹かれる」と思えたら、OKだと思っています。
まずは、アートに触れてみませんか?