菊池寛実記念 智美術館で開催された、篠田桃紅「夢の浮橋」
以前から行きたかったこの美術館。
篠田桃紅の作品も楽しみでしたが、建築の段階からかなり拘って作られたこの美術館にもとても興味があったので、やっと行くことができワクワクしながら会場に向かいました。
東京の真ん中、港区虎の門にありながら、向かいにはホテルオークラがあり、静かな佇まいの中に建っています。。
敷地内には大正時代に建てられた西洋館や蔵が、日本庭園を囲む様に立ち並んでいます。
展示室内のレイアウトは、美術館の創設者・菊池智と古くから親交の深かった米国人デザイナー、リチャード・モリナノリが設計したそうで、静かで落ち着いたとても素敵な空間でした。
「 展示室は、緊張感の漂う非日常的な場であり、
作品は、スポットライトを浴びる舞台俳優の様に煌めいて存在します。
そしてそのような作品に見る人自身の美意識を重ね合わせながら、
ゆっくりと干渉していただきたい 」
こんな素敵な言葉が、添えられていました。
玄関ドアを入り、突き当たり正面に篠田桃紅の「 ある女主人の肖像 」がどーんと展示。
この館の女主人である菊池智を象徴的に表した作品と言われています。
一階ホールと地下の展示室を結ぶ螺旋階段には、ガラス作家の横山尚人によるガラスできらきらと美しく輝く手すり。
そして階段の壁面には、銀の和紙が貼られその上に篠田桃紅のコラージュ作品が描かれており、階段室の円形と曲線からなる空間の中で、絶妙な美しさを醸し出していました。
この素晴らしい空間の中で、暗めの落ち着いた灯りに照らされている作品の数々、終始感動でした。
作品を何倍にも素敵に見せてくれる空間の大切さ、実感しました。
また、ぜひ訪れたい美術館です。
※↑入り口正面の作品「ある女主人の肖像」