超絶技巧展

展覧会

三井記念美術館で開催された「超絶技巧展」

2014年に初めて「超絶技巧!明治工芸の粋」が開催され、今回はその第3弾として企画された展覧会です。
七宝、金工、木彫り、牙彫、刺繍絵画などの明治工芸に加え、選りすぐりの現代作家17名の新作も展示されるとのことで話題の展覧会。どんな作品が展示されているのかワクワクしながら会場へ。


まず目に飛び込んできたのが、この作品。福田亨氏の「吸水」
福田氏は今回の出品作家の中で最年少だとか。
象嵌というのは一つの素材に別の素材を嵌め込む工芸技術のことで普通は平面ですが、この作品は立体木象嵌という彼自身が編み出した技法で制作されています。

蝶の羽の部分を一つ一つ象嵌していくのですが、作品は一切着色をせず赤い木、黄色い木、黒い木を使って象嵌し、蝶一体で1ヶ月位かかるそうです。大変な作業ですね。


左の前原冬樹氏の「スルメ」、どう見てもスルメそのものに見えてしまうのに、一木造りといわれる木を彫って作られた作品。
これ、本当に木彫りなの?
何度見ても、美味しそうなスルメに見えてしまう素晴らしさに感動でした。

右の作品は、チラシの表紙を飾っている大竹亮峯氏の「月光」
この作品は、花器に水を注ぐと47枚の白い鹿角で象られた花弁がゆっくりと開くそう。
その様子ぜひ見てみたいですね。
作品の周りをぐるっと回って見ることができるので、みんな角度を変えて何枚も写真を撮っていました。どこからみても美しい!
白い花弁もどうみても繊細で薄い花びらそのもの。鹿の角から作られたなんて、びっくりですね。


左の作品は、稲崎栄利子氏の「Amrita」
レース編みのような繊細な作品、何で出来ているんだろうと思ってキャプションを見たら、なんと陶片と書かれていて、またまたびっくり!
繊細なパーツを継ぎ合わせた作品、信じられない程細かい陶片を組み合わせて作られています。
布のように形を変えられる磁器だなんて、信じられませんよね。

右の作品は、明治工芸の「鳩の親子」
象牙彫刻ですが、羽根が柔らかくて繊細に表現され、鳩たちの様子がとても微笑ましい作品でした。


素晴らしい作品がたくさん展示されていて、引き込まれるように見入ってしまいました。
繊細で巧妙に作られた作品は、まさに匠の技!
あまりの素晴らしさに再度見に行きましたが、何度見ても感動の連続。

日本の素晴らしい伝統美術、後世に残していきたいと改めて強く思いました。