東福寺展

展覧会

東京国立博物館で開催中の、今年大注目「 特別展・東福寺 」
東福寺は鎌倉時代前期に京都東山に創建された、京都を代表する禅寺のひとつです。

この展覧会では、臨済宗の絵仏師・明兆による記念碑的大作と言われている「五百羅漢図」全幅が修理後初めて公開されるということで大注目となりました。
この「 五百羅漢図 」というのは、水墨と極彩色が見事に調和した若き明兆の代表作で、一幅に10人の羅漢を表し50幅本として描かれた作品です。

昨年末「 300年ぶり、14年かけた五百羅漢図の修復が終了し、東福寺で法要 」という記事が新聞に載っていました。
通常では修復の仕方が若干違うので1カ所で修復を請けるそうですが、今回は点数が多く絵も大きいので、4社が共同で作業したそうです。総事業費は、国や府の補助金を含め6億7000万円。まさに壮大なスケールの大プロジェクトですね。

こんな風に紹介されていると、見たくなりませんか?
私は、「どんな風に描かれているんだろう?」と興味津々。イメージが膨らんで、この機会にぜひ見たいと思っていました。

東福寺は巨大な建築物や敷地を含め圧倒的なスケールを誇る寺院ですが、それに相応しく五百羅漢図をはじめ、特大サイズの仏像や書や掛け軸などたくさん展示されていました。
東福寺には行ったことがなかったのですが、今回の展示を見て、実際に東福寺でこのスケール感を味わってみたくなりました。ほんとに迫力凄かったですよ!

たくさんの仏像が展示されていましたが、仏像の横や後なども見ることができ、正面だけでなく色々な角度から鑑賞することができました。
木彫りと思えないような細かい表現の数々に感動!こんなに仏像をじっくり鑑賞したことは、今までなかったかも。

「 五百羅漢図 」に描かれている羅漢様、様々な神通力を駆使している様子が描かれていたり、髭を剃ったり、動物の歯を磨いてあげたりと、親しみが湧くような描写もところどこに散りばめられていました。
その横に添えらえていた4コマ漫画が絶妙で、羅漢様のお茶目な一面も垣間見れついクスッと笑ってしまうような素敵な演出。とっても良かったです。

左の写真は、会場の平成館の入り口手前の写真。濃いピンク色の花が一際美しく咲き誇っていました。
真ん中の写真は、撮影OKの貴重な仏像。穏やかな表情に癒されますね。
右の写真は、かつて東福寺の仏殿に安置されていた高さ15メートルの釈迦如来坐像の手。1881年の大火災で焼失したときに、この左手だけが残ったそうです。
「 よくぞご無事で 」と、つい手を合わせたくなりました。
手だけだと大きさが分からないと思いますが、そばに人が写っていると、大きさ伝わりますよね。

紅葉の眺めを楽しめる通天橋の再現コーナー。
目の覚めるような紅葉の美しさ、とっても素敵でした。今年の秋は、紅葉の東福寺もいいですね。