渋谷の Bunkamuraザ・ミュージアム で開催された「 マリー・ローランサンとモード展 」
東急百貨店本店が建物の老朽化に伴い閉店となり、完成予定の2027年迄休業となるので Bunkamura 最後の展覧会です。
大好きな美術館の一つだったので、最後のお別れに行ってきました。
いろいろな思い出が蘇り懐かしさでいっぱいに。建て替えなくても良いような気がしますが、時代の流れなんですね。
マリー・ローランサンの柔らかな色彩の美しい作品は、いろいろな場面でよく見ていましたが、美術館で本物の作品を見るのは初めて。
会場はイメージ通り、マリー・ローランサンピンクと呼ばれているピンク色や淡い美しい色遣いの作品が並び、優しい雰囲気に包まれてとても心地いい空間になっていました。
私はマリー・ローランサン独特の画風が確立されてからのイメージしか知らなかったのですが、この画風に行き着くまでの描き方の変化を見ることができる展示になっていて、とても参考になりました。
1920年代のパリは、ピカソやマン・レイ、ブラックなど、国境を超えて多くの若者がパリに集まり才能を開花させた時代と言われています。
その頃「洗濯船 」と呼ばれていた古アパートに情熱と夢を持った芸術家たちが集まってきて、ピカソもその中にいたということは知っていました。でも、その中に唯一の女性としてマリー・ローランサンが加わっていたことは、初めて知りました。
優しいイメージの作品を描くアーティストだとばかり思っていましたが、ピカソが「アヴィニョンの娘たち」を発表した頃、マリーもキュビズムの作品を描いていました。
ピカソは色彩よりも形を探求することに重きを置いて描いていますが、マリーはキュビズムの技法に挑戦しながらも、色彩にこだわって描いています。
男性的な強いイメージのキュビズムではなく、マリーらしい女性的な優しいイメージのキュビズムの作品が展示されていて、こんな作品も描いていたんだと感動! 今までの認識がガラッと変わった瞬間でもありました。
その後もいろいろなアーティストの影響を受けながながら、マリーらしさ溢れる独特の画風を確立していったんですね。
その他にバレーの舞台衣装も度々手がけ、舞台の映像と共に紹介されていました。「 当時はこんな衣装で踊っていたんだ 」と、とても新鮮な刺激を受けしばし釘付。なんだかその当時にタイムスリップしたようで楽しく見入ってしまいました。
今回の展覧館でマリー・ローランサンのいろいろな面を知ることができ、益々興味が湧いてきました。素晴らしいアーティストに出会えた、そんな素敵な展覧会でした。
マリー・ローランサン
ココ・シャネル