若冲と江戸絵画

展覧会
出典:出光美術館リーフレット

出光美術館で開催中の「 江戸絵画の華 」第1部が2月12日までなので、やっと滑り込みセーフで見に行けました。
今回の展示は、2019年に出光美術館に新たに加わった、エツコ&ジョー・プライス夫妻(プライス財団)の作品の中から約90点を厳選して、2期にわたって展示公開されるものです。

コロナの影響で、2020年・2021年・2022年と実現できず、今回満を持して開催されることになった展覧会。皆さんの期待も最高潮ですよね。

第1部の方は「 江戸絵画の華 」と題して、伊藤若冲や磯田湖竜斎・菱川師宣・河鍋暁斎など、江戸で活躍されていた方の作品ということで、興味津々でした。
中でも一番気になっていたのは、やっぱり伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」
この作品は、1センチ四方位の方眼をまず画面いっぱいに描いて、その後に動物や草木を描くという「升目描き(ますめがき)」の手法で描かれた六曲一双の作品です。

升目描きというのは、まず紙全体に方眼を墨で描き、その線を隠すようにその上に白の絵の具を塗ります。その後、その白い色よりちょっと濃いグレーで、四角形の中にちょっと小さい四角形を描いてやっと下地が完成。
下地が完成するまでで既に、気が遠くなるような作業がされるんですね。

有識者の中には、西陣織の下絵でもあり設計図でもある「正絵」の方眼の大きさと同じことから、西陣織と若冲の作品が無縁ではないのではという意見も出ているそうです。

以前から若冲が大好きで色々と情報集めをしていたので、今回はそれがどんな風に描かれているのか実際に見たくてワクワクしながら会場に行きました。
想像以上の迫力と繊細さで、まさに若冲ワールド全開。
写真や画像では伝わりきれない素晴らしさに釘付け。かなりの時間その場所で鑑賞させていただきました。
作品も一段下がった特別な展示コーナに展示され、スロープを移動しながら作品を鑑賞したり、違う高さから鑑賞したりと自分が見たい所から鑑賞できる作りになっていて、出光美術館の素敵な演出、さすがでした。
人気の作品ということもあって、多くの方が色々な角度から思う存分作品を鑑賞されていました。

伊藤若冲といえばこの作品といわれるほど有名な作品ですが、以前宇多田ヒカルさんが「 SAKURA ドロップス 」のプロモーションビデオでこの作品を使っていたので、若い方にも人気があるそうですよ。
私は知らなかったのですがこの歌の世界観とも合っていたそうで、今更ですが宇多田ヒカルさんの感性、素晴らしいですね。
ご興味あったら、YouTubeで聞いてみてくださいね。ちょっと感動かも。